《MUMEI》

22才の親友たちへ





18の俺が、4年後のお前らに手紙書いてるなんて、なんか変な気分だな。


がんだと宣告され、家族に告げたとき、俺は本当に親不孝者だと自分を責めた。

泣いてる親父や母親、ショックを受けてる兄貴を見ていて、胸が苦しくて、

でも、死ぬときはもっと苦しいのかなって考える自分もいた。


正直、怖かった。

18で死ぬなんて、想像もしてなかったことが、あと一ヶ月後に迫っているなんて、


家族に告げた日の夜、俺夜泣いたんだ。

家族に向かってごめんって何度も呟きながら、

次の日、お前らに言わなきゃいけないのかと思うと、涙が止まらなかった。


今まで約束を破ったことのない俺が、お前らとの約束をこんなにも早く破らなければならないのだと思うと、申し訳なくて仕方なかった。



何より怖かったのは、
死んだあと、俺は忘れられるんじゃないかってことだった。






けどあの日、屋上でお前らに言ったとき、泣いてくれたお前らを見て、今までで一番最高に嬉しかった。


あぁ、こいつらが友達で良かったって心から思った。

泣いてくれる友達がいる、それだけで、俺が生きてきたたった18年間、意味のあるものだって思えた。


何一つ親孝行できなかった親父たちに、これだけは伝えた。



俺には、最高の親友がいたって。






本当は、お前らともっと遊びたかった。
野球したかった。
彼女作って自慢したかった。
社会人になって、飲みに行きたかった。
じじいになっても、大好きなボール触りながら、



お前らと、ずっと一緒にいたかった










「……」

「……こぅ、じ……」

「うっ…く、……」



「ばかやろぉ…、俺らが、お前忘れるわけねぇだろうが…」

「光司の、ばかやろー…」










最後に、


俺の分まで、長生きしてくれな?


そんで、全員死んだら、
天国で、また野球しような!!!





光司より

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