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《MUMEI》 「どうもごちそうさまでした」 「いえいえ。また行きましょうね!」 「仕事がちゃんとできたらね」 「え〜ちゃんとしてますよ〜!!」 駅までの道のり、他愛のない話をしていて、ふと柏木が自分の弟のように思えてきた。 「柏木、なぁんか弟みたい。可愛いな〜」 そう言いながら、柏木の短髪に触れようとしたとき ぱっと、手を捕まれた。 「えっ…ちょ、柏木…」 「弟?」 「え?」 「俺は、本宮先輩にとって弟みたいな存在ですか?」 いつもの柏木じゃない。 男の人、そう思えた。 「な、に言って…」 「好きです」 「え…?」 「本宮先輩のことが、好きです」 真っ直ぐ見つめてくるその瞳に釘付けになり、 近づいてくる柏木の顔を避けることを忘れてしまった そっと触れた柏木の唇 臥せた目許は、まだ若いはずの柏木とは思えないほど、大人の男を感じさせた 「俺…、」 あたしの腰にそっと手を回しながら話始めた 「本宮先輩より年下だし、先輩のタイプに全然かすってないのわかってるけど、先輩のそばにいたいんです… 俺と、付き合ってくれませんか?」 胸がドキリ、と鳴った 男の人に告白されて、こんなに心臓がバクバクしたのは初めてだった 「柏木…、わかってんの?あたし、あんたよりいくつ上だと思って…」 「関係ねぇよ」 「!」 敬語じゃなくなった柏木にまたドキリとした 「俺は本宮先輩が好き。年齢とか関係ない。」 子供みたいな拗ねた言い方にフッと笑ってしまった 「考えさせて、ありがとうね」 そう言って笑ったら、 渋々と言った感じで柏木も笑っていた 結局家まで送ってくれた柏木は、ずっと手を離してはくれなかった 前へ |次へ |
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