《MUMEI》

「がんです」






「…え?
す、すいません、もう一度言ってもらえますか…」


「がんです。末期の…手術しても、難しいです…」





うそ…うそっ………




「先生、じ、じゃあ、あたしの命は…あと、」


「…1ヵ月です」









目の前が真っ暗になった












『先輩?どうしたんですか?』

「…柏木、今ちょっといいかな…」

『いいですけど…、先輩もしかしてこの間の返事?それなら直接』

「ごめん」


『え?』


「柏木とは、付き合えない。ごめん」


『え、先輩…?』


「やっぱ年が離れてるのはさ、気になるし、それにあんた受付の木下に言い寄られてんだって??絶対あっちのほうがいいに決まってんじゃん!こんなおばさん相手にせんでも」

『黙れよ!!!』

「!」


電話越しなのに、柏木の怒りが伝わってくる



『俺年齢とか気にしないっつったよな?聞いてなかったんすか?』

「……」

『答えろよ!!』


「…、ごめん、ごめん…」
『あっ、ちょっ、せんぱっ』プッ、ツーツーツー





「…っ…、うっ…ぅ〜…」

一ヶ月しかないのに、
一ヶ月しか、生きられないのに…


そんな女と、付き合っても楽しいはずがない




このとき、気付いた。

気付いてしまった


あたしは、柏木のことが好きだってことに。


恋をして、あっけなく失った。




あたしの命は、あと一ヶ月…

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