《MUMEI》

『よっ!元気か〜??』

「知恵…」



あれから1週間。
あたしは会社を辞めた。


何もする気になれなくて、実家に戻ることにした。


家族にも言えないまま、
友達にも言えないまま…


生きる意味を 探してる





『全く…急に会社やめて実家戻って、何なの一体?お見合いでもする気?』

「ん…、ごめんね」


『まぁ別に言いたくないならいいけどさ。たまには連絡しなよ。寂しいじゃん』

「うん、ありがとう…ごめんね」

『…柏木のこと、振ったんだってね。あいつ最近元気ないから。あんたが会社辞めたことにもものすごいショック受けてたし…言ってなかったの?』

「うん、誰にも言ってないから…」

『そっか。
まっ、落ち着いたらまた会おう!あたしがそっち行くからさ!!じゃあね』


「うん、じゃ」


『あ、そういえばかしわ』プッ



あ、切ってしまった…
まあ、いいか…




柏木。

久しぶりに聞いた名前に、胸がまたドキリと鳴るのは、まだ好きだからなのだろう。


携帯も変えたから、柏木と二度と会うことはない。

今頃、誰か他の人…木下とでも付き合って幸せに暮らしているのだろう。

元気がないなんて、それはあたしがいなくなったからではない










「お母さん、散歩行ってくる…」


夕方、夕焼けが海に沈んでいくのを見るのが、最近の日課になりつつあった


あと何回、あたしは明日を迎えることができるだろう

明日があると思っていた、あの頃の自分


仕事をするのが楽しくなってきていて、彼氏を作るより書類を作るのが楽しくて

孫が早く見たいと急かす父母に、もう少し待ってと言っていたあの頃



あの頃って…つい最近じゃん






頬を伝わっていく雫

死ぬまで、あたしは泣き続けるんだろう

こんな後悔だらけで、あたしは死んでしまうのか





神様、あなたは最低ですね

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