《MUMEI》

「颯馬ーー?」


………!??


「な、なんだよ。」


一通り練習を終えて休憩していると、
突然岡田の顔が現れた。

「珍しいなあ、颯馬がボケーーってしてんの。」

「いや、ちょっとな……」


「何かあったのか?

コーチと?」


「いや、父さんは関係ない…。」


「?!?」


「お前さ、もし俺の立場だったらすっげぇ仲良い友達と、
陸上どっちとる?」


「へ?

何それ??」


「……っやっぱ変な質問だったよな。

今のは忘れてくれ。」


諦めてまた走り出そうとすると、


「……友達によるかな?」

しばらく経ってから返事が返って来た。


「友達による?」


「うん。

颯馬にとって、
絶対な存在だったら俺は一日くらいだったら練習行かないかもな。」


「ふーん……」


「何?

彼女とか??」


「ち、違ーよ!!」


“友達による”か……


俺にとって蓮翔ちゃんはーーー……

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