《MUMEI》

「幸、先帰ったほうがいんでない?」
ナオが窓の外を見て言った
「…あぁ」
「あたしとのいはまだ仕事あるし」
「…そぅだな、じゃあ俺、先帰るから」
幸君は私に向かって言ったが、その表情は浮かないものだった
けして、雨や風に対してのものではなく

その、表情は私に対して向けられていた。

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