《MUMEI》

◆◆◆

影は‥

枝に座って足をぶらぶらさせて‥‥‥

何か恥ずかしげに俯いた。

「何かあんなら言えよ、おれに」

って‥

こいつ喋れねーんだっけか‥。

「──────‥」

≪ザァーッ≫

こいつが吹っ切れねー限り‥

この雨は止まねぇ‥。

こいつは‥

自分で泣く事すら出来ねーんだ‥。

だからこーやって‥

雨を降らせて‥。

≪ぎゅ‥っ≫

「?」

頭の中で‥‥

声が聞こえた。

また‥

木登りしてくれる‥?

◆◆◆

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