《MUMEI》
 偽り
 姉「ねぇ、大翔、何かポストに入ってなかった?」
仕事から帰った姉が、コートも脱がず、
息切らしながら俺に聞いた

俺「ん、知らないよ」

とぼけた

 
翌日、バイトから帰った俺は驚愕した…

部屋が、荒らされてた…

後ろを見ると、姉がDVDーRを、片手に持ち、
開けっ放しの俺の部屋の扉の所に立っていた

姉「…」

俺「ねーちゃん、なに…」
姉「…見たの?」

俺「何を?」

姉「見たんでしょ!」

俺「何だよ、いったい」

バシッ!!

姉が近寄ってきて、俺に、平手打ちした

俺「いてぇなぁ!何すんだよ!」

姉「なんで、なんで黙ってたの!」

泣きながら、何度も俺を叩き、

足元に、泣き崩れた

俺「言えるかよ…、 
そんな物が…有ったなんて…」

姉は、叫ぶように、泣いてた

 
俺「…誰、そいつら…」

姉「…」

俺「…顔、映ってないんだ」

姉「…」

俺「音も、無いよ」

姉「…」

俺「言えよ!誰だよそいつら!!」

怒鳴った、姉の肩を掴み、ゆすりながら

 
姉の大学時代の知り合いで、北川って奴と、その仲間達らしい

泣きながら、姉は、話したんだ

北川って奴、就職もしないで、居酒屋でバイトしてるらしい

姉から、そこまで聞き出すと、
俺は家を飛び出した

 
姉から聞いた居酒屋に乗り込み、北川を呼び出してもらった

いかにも遊び人風の、奴だった

小声で用件を伝えた

北川「もうすぐバイト終わるから、表で待ってろよ」
臆することなく、北川は、そう言った

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫