《MUMEI》

「恭ちゃん。
今度うちの練習に来てほしいって監督が言ってたよ。」


「ん、


うん。


じゃあ学校休みの日にでも行くわ。」


「うん。
じゃあそういう風に伝えておくから。」


引退から随分たち、


1月。


新しい年を迎えていた。


高校3年生の恭介は、


既に進路を決めていた。


秀皇大学。


大学ハンドボールの世界では名の通った強豪校である。


そして恭介の1つ上の姉、

水川春奈は、


秀皇大学でマネージャーを勤めていた。


高総体ベストセブンに選ばれていた恭介。


秀皇大学からはすぐに声がかかったのだ。


(秀皇大学…


つぇんだろな。


練習とかも厳しそうだし、


俺でもついていけるか不安だけど、


やっぱ卒業してもハンド続けたいしな…


それに秀皇には、


あいつらも行くって噂だし。)


恭介が高校2年の時に敗れ、


3年の時にリベンジを果たした相手。


赤城北高校、


北村大和。
黒田小太郎。


この2人にも秀皇から声がかかっていることは、


姉を通じて知っていた。


リベンジを果たした試合は、


今までにないほどの興奮を覚える展開であった。


そして2人と一緒にプレーしたい。


2人も当然秀皇に入るだろう。


恭介はそう思っていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫