《MUMEI》
16#
目の前で、起こっている現実に、草馬の膝はガクガクと音を立て震えていた。


――――なんだ、これは・・・・。お屋敷主様が・・・。俺は何を・・・している・・・。


「ホッホッーーーッッ!やはり老いぼれは只の老いぼれでおじゃるナァッ!」


――――急げ・・・震えるな・・・守るんだ・・・

「麿は高貴な人間じゃ、汚らわしい妖怪も!半分、妖怪のオマエも、大嫌いでおじゃるッ」

とめどなく振り下ろされた、攻撃に、ついに屋敷の主は土に這い。

主の頭には甲条院の金色の下駄が圧し掛かっている。


「ホッホッホッ!!先ほどまでの威勢はどうしたでおじゃるかァ老いぼれ」


甲条院は手にした扇子で、土と血にまみれた老体の頬をペシペシと小突く。

――――斬るんだ!・・・・怖がるなっ

「サァ、終わりにするでおじゃるよォ」

――――行け!!!!!!!!!!!

「サヨウナラ、半鬼のジジィッッ」

「ウワァァァァァァァツッッッッッッ!!!!!!!!!!」

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