《MUMEI》 小萩餅◇◇◇ 八月も終盤──。 だんだん蝉の声が遠のいて来た。 「あっ、おはようございます鴬さん」 「おや、おはよう杏子ちゃん(微笑)」 「蜜樹君と信玄さんは中ですか?」 「ああ、二人もお待ち兼ねだよ。さ、入っておくれ(微笑)」 鴬さんが戸を引くと、すぐさま蜜樹君が飛び出してくる。 「おっ、あんこ早いじゃん♪」 「ぁ‥、うん、今日は久々に早起き出来たから──。もうすぐ夏休みも終わっちゃうし、今の内にのんびりしたいなぁって(微笑)」 ◇◇◇ 前へ |次へ |
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