|
《MUMEI》 ばいばい意地の悪い吻だけの愚かしい人間共の神経の配線を切っておしまい 電池切れの樞り人形 ぴかぴかに磨いた硝子にディスプレイしてしまおう 白目剥いて可愛らしく首をしならせ眠る前には 接吻を 髪を梳いて愛する玩具に一方通行な 接吻を ナルシスのように飾られた自分を硝子越しにうっとりと見つめながら 接吻を ブランド財布を引っ提げてさあさあいらっしゃいませお人形 萬札の束ちらつかせていやらしい胸元の開いた服で ピンヒールで闊歩なさい 髪をその研磨されたネイルで掻き上げて グロテスクな紅いルージュで舌嘗めずりでもしておやりなさい 相応しい御主人様に買っていただけよう へばり付くような底意地の悪い人形達しか愛せない収集家の家具の一部にしよう 奇麗に配列され番号を与えて貰いなさい 貴方も趣味の中に 財布よりも安価でお引き取りされましょう 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |