《MUMEI》

「…で、コイツの走りを見てみろ。」


「はい……」


今、俺は時間を気にしながら自宅でミーティング中。


蓮翔ちゃんの試合…もう始まってんだろうな。


気付けばもう2時を回っていた。


「おい、颯馬!しっかり聞けっ!!」


「すみません…」


ダメだ…どうしても集中出来ない…


「どうしたんだ?そんなに時計気にして…?
まさか…」


「いや、何でも無いです。」


父さんの言うことは絶対だ。


反抗期なんて言う時期は俺には考えられないほど……


それほど父さんは俺に言うこと聞かせるためなら、何でもする人なのだ。

カチカチカチカチ……


時計は尚も止まること無く動き続ける。


俺を突き放すように………

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