《MUMEI》
継がせた張本人
あれから翔を送り、俺はマンションへ着いた。

「…俺は…あいつの為に何が出来るんだろう…」

苦しくて、やるせない…
自分の部屋で疼くまり、涙を流した。

卒業式間近だというのに、俺は学校を休んだ。
泣いた次の日、なんと高熱を出してしまったのだ。
(本当ついてない…)
「…ハァ…ハァ…!」

一方、教室内の中では―


「え?あいつ休み?」
「そうみたいよ」
翔と大悟は一緒にパソコン室へ移動していた。

「…大丈夫かな…あいつ」
「悩み過ぎて知恵熱でも出たんじゃないの?」

すると、大悟はでかい声で笑った。

「アハハ!そんなわけないだろうが!…いや、意外とそうかもしれない」

結構な事言いやがる…
「でも、いつもアタシの事で悩んでいるんだぜ」
なんで知ってるんだ!?

「あぁ…そうだったな」

その頃、俺は―


「…ん…ハァ…ハァ… 」
高熱を出しているというのに、ヤってしまう…。

「あ…」

こんな事ヤってる場合じゃないのに。
秘部を触り、大胆に喘ぎ声を出す。

「駄目…だって…」

「“気持ちいいかい…”」
その時、知らない所から声が聞こえた。

「誰だ!!」
「“主…と言ってもいいかな…”」

俺はズボンのチャックを閉め、すぐ後ろを振り向いた。

「…私の姿が見えるかい?」
「あ、あぁ」

主とやらは、肉眼で見えるように姿を変えていた。

「でかい…」
「こんな奴を継がせたのか…頼りのない高校生だこと」

俺には何がなんだかさっぱりわからなかった。

「あんた…俺の何?」
「言い伝えを継がせたのはこの私なのだよ…紀和クン」

え!?父さんじゃないのか?
俺はベッドから降りて、立ち上がった。

「なんでこんな事をしなきゃいけないんだ!俺は気ままに生きたい純粋な高校生でいたいんだよ!」

思いっきり早口で言ったので、疲れてしまった…

「あなたを選んだ理由を…知りたいですか…?」

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