《MUMEI》
 自己嫌悪
姉「大翔、まだないてるの?」

俺「泣いてない」

姉「だったら顔あげなさい」

俺「…」

姉「ほらぁ!」

無理やり顔あげられた

姉「言葉、悪いけど、男なんだから、
ある程度は、そういうの、あるんじゃないかなぁ」

俺「…いいよ…軽蔑して…」

姉「なんで軽蔑するのよ」
俺「…その方が、変に慰められるより…楽だよ…」

姉「…そりゃ、聞いたら、少しは、驚いたけど…」
「…まぁ、でも、普通じゃないの…」
「男の本能みたいな物じゃない…」

俺「…」

姉「私は、気にしてないよ」
「他人に見られたわけじゃないし」

俺「きっと、警察で見てるよ…」

姉「…そうかもね…」

俺「何か、くやしい…」

姉「…」

俺「ねーちゃんの方が、くやしい、よね」

姉「…早く、忘れなきゃね…」

俺「…忘れられない」

姉「…大翔…」

俺「ねーちゃん…」
「裸、見せてほしい…」

姉「えっ…」

俺「画面じゃない、本物のねーちゃんを、見たい…」
姉「…」

俺「…」

何言ってんだろ、俺

俺「ごめん、忘れて」
「俺、風呂入るわ」

俺は風呂に逃げた

空の浴槽に入り、お湯を落とした

寒かった

気まずい

自己嫌悪の嵐だった

姉「大翔」
扉越しに姉が俺を呼んだ

俺「…」

姉「着替え置いとくよ、
それと、お湯ためるなら、バブあるから、
ここに、置いとくからね」
俺、何でだろ、

姉が、気まずいのを、取り払う為に、
俺に気を使ってくれてるのが、わかっていながら
なぜか、イライラして

立ち上がり、扉を開け
姉に、怒鳴ってしまった

俺「何で優しくすんだよ!」
「よけい、惨めだろ!」

姉「ごめんなさい…」

俺「何で謝るんだよ!」

姉「ごめん…」

俺自信、訳わからない

扉を強く閉め

浴槽にもぐった

最低も、ここまでくると、どうしようもないな…

俺…

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