《MUMEI》

次の日。

朝、周哉が目を覚ましてリビングに行くと、
「おはよ、お兄ちゃん」
秋穂が声をかけてきた。
「おはよ。どうしたの?その格好」
周哉は秋穂を見て驚いた。
秋穂は周哉の学校の制服を着ていた。
「どうしたのって、今日から私も学校行くんだよ。制服着るに決まってるでしょ。あ、もしかして似合ってなかった?」
秋穂が少し悲しそうな顔をする。
(秋穂ちゃんに悲しい顔されると、凄い罪悪感が・・・)
「そんな事ないよ。凄い似合ってるよ」
慌てて周哉が誉めると、
「ありがと、お兄ちゃん」
秋穂は、そう言って嬉しそうに笑った。
(相変わらず、麻耶にそっくりだよな・・・)
「どうしたの?」
周哉は自分が秋穂の事をジッと見ていた事に気付いた。
「あ、何でもないよ」
「そう、じゃあ、早くご飯食べて学校行こ」
「うん、そうだね」
そう言って周哉と秋穂は、
「ねえ、お兄ちゃん」
「ん?何?」
「学校行ったらお兄ちゃんって呼んじゃいけないんでしょ?じゃあ、何て呼べばいいの?」
「んーそうだな・・・」
そんな事を話しながら朝食を食べた。

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