《MUMEI》
友の姿
キーン!!


治まることのない大歓声の中、鋭い金属音が響いた。


打たれたのは桐海蓮翔だ。


蓮翔は久し振りに打たれたのもあって、完全に動揺しまくっていた。


勿論、滝澤颯馬のことも。


自分のせいで来ないのだと思い込んで。


「次の打者は…須藤か…」


ついさっき俺にいちゃもんを付けて来た男。


須藤はあの目で俺を真っ直ぐに見据えている。


俺はいたたまれなくなって、つい目を逸らしてしまった。


途端に須藤が勝ち誇った様な顔を浮かべて笑い出す。


「ククク…っかハハッ!!!
所詮、桐海蓮翔もその程度何だな!!」


須藤は更にゾッとする様な笑を浮かべると、


黒く、薄き味悪い光りを放っているバットを高く掲げた。


バットの示す先は…



バックスクリーン!!!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫