《MUMEI》
この場所に…
「ガラッ…」


体育館のドアを開けるクロ。


「バシッ!!」


「日高!!コース甘いぞ!!」


「悪い!!」


「…お前ら早くね?」


「あっ!!クロさん!!


集合!!」


「おぅ!!」


クロが体育館に入ると、
赤高の選手たちは既に皆練習を始めていた。


「何でこんな早いの?」


「や、だってじっとしてらんないじゃないすか。」


「ふ〜ん…」


「クロさんこそ早くないすか?」


「や、僕は猪狩が来る前にお前らと話せたらな〜って思ってたんだけど…


まさか全員いるとは思わなかった。」


「猪狩が来る前?」


「うん。


だって猪狩来たら僕は猪狩チームだし。


今のうちじゃん?」


「…じゃあ何か作戦あんすか?」


「…ないわ。


僕負ける気がしないもん。」


「なんすかそれ…」


「まぁまぁ…


たぶんお前らが負ける可能性はでかいし、


負けたらたぶんこの部終わるけど…」


(最悪じゃん…)


「でも僕は、


このチームで上に行きたい。」


「!!」


「ガラッ…」


また体育館のドアが開く。


「俺も。」


翔太(とその彼女)だった。


「ユキヒロ。」


「はい?」


「俺との約束はまだ続いてんだかんな。」


「…わかってます。」


「ねぇ翔太?」


「なんすか?」


「彼女連れて来たんかい!!」


「あっ…」

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