《MUMEI》
奇妙な教室
「あれ? 祐也、何でもうもらってるんだ?」

「何の事だ?」

「チョコレートだよ。誰が抜け駆けしたんだ?」

「…はぁ?」


朝の挨拶もせずに、わけのわからない発言を連発する守に、俺は顔をしかめた。

「だか…」

「? 何だよ?」


守の動きが固まった。


「あ、いや…別に」


再び動き始めた守は明らかにおかしかった。


「別にって…」

「おはよう、祐也」

「お、…おはよう」


守を追及しようとしたら、何故か拓磨が


作った感じの営業スマイルで挨拶してきた。


「今日もいい天気だなあ」
「あ? あぁ…」

「だ、だよなあ」


確かに今日も昨日と同じでよく晴れていた。


(おかしい)


周りを見回すと、皆が目をそらした…ような気がした。


目をそらさず笑顔だったのは、真司とその彼女と


志貴だけだった。


「なぁ、何か隠してないか?」

「「無い無い!」」


(あやしい)


この二人がこんなに息ぴったりに答えるなんて普通じゃなかった。


「なぁ…」


キーンコーンカーンコーン

「「じゃあな!」」


二人はホッとしたように、ダッシュで席についた。

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