《MUMEI》

――…何故、しずか君のような素敵な女の子が、あんな勉強も運動も駄目な奴を相手にするんだろう…?



僕は図書館を後にする彼女の後ろ姿を黙って見送りながら、些細な嫉妬に心を惑わされたのさ…。



―――…すると、その時……。



『殺したい奴がいるみたいだな?』


僕の心に直接語りかけてくるような声が聞こえたんだ。



「―――…誰だ…!?」


僕は辺りを見回した。



だけど其処には静かな図書館の風景が広がっているだけだったのさ…。

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