《MUMEI》
グッタリ
「お疲れさま」


(つ、疲れた…)


最後の一人が何人目かはわからなかった。


…わかりたくも無かった。

「祐也、キングを超えたな」

「そんなわけないだろ」

「超えたわよ。柊は、希以外からはもらわないから」
「あぁ、そう…」


(何か、納得)


気がつくと、外は暗く、守達も部活に行っていて


教室内には俺と志貴と、いつの間にか来ていた祐しかいなかった。


「疲れた時には甘い物よ、ほら」


志貴は、俺のチョコを入れる袋もしっかり用意していて、そこからチョコを一つ取り出した。


「いや、まだ祐の分も食べて無いし」


(とりあえず、もらった分から食べないとな…)


以前軽く答えたように、これからしばらくは毎日チョコを食べる事になりそうだった。


「これは、来月大変だな」

来月。


三月十四日。


ホワイトデー。


(ヤバい、俺、全員の顔覚えてない!)


「大丈夫よ、祐也」


青ざめる俺に、志貴が微笑んだ。


「また、皆並ぶから。お返しは…

そうねぇ

●ュッパチャップスと、写真一枚でどう?」

「いいね、それ!アンケートとろうぜ!」

「待て!勝手に決めるな!写真関係無いだろ」

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