《MUMEI》

――…今のは空耳…?



――…いや!…それにしてはリアリティが有り過ぎる…。



――…もしや…僕の心の声なのか…?



――…殺したい奴…。



――…ひょっとして……のび太くんの事か…?



――…だとしたら僕は、潜在意識のなかで、彼に殺意を抱いているのだろうか…?



――…この僕が……彼を………?



僕は自分の手を見つめながら暫し呆然と佇んだ。


何故かやがて、この手が血に染まってゆくような気がしてならなかった…。


思えばその声が、僕の心の奥底に眠る野望を目覚めさせるきっかけだったのかもしれない…。



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