《MUMEI》

「いや〜、遂に今日だなぁオイ」
教室に入った周哉に昇が、そう言いながら近寄って来た。
「何がだよ」
「今日は周哉の妹が来る日だろ?忘れちまったのかよ」
「そんな訳ないだろ。覚えてるに決まってんじゃん」
自分の身内の事である。
覚えていて当然だ。
「そりゃそうだ。お、来た来た。オーッス」
昇が周哉の後ろに向かって挨拶した。
「おはよう」「はよ〜」
奈々と春だった。
「おはよ」
周哉が挨拶すると、春が、
「今日は周哉君の妹ちゃんが来る日だね〜」
と言ってきた。
「そうだよ。よろしく頼むよ」
「その子って可愛い?」
急に春が聞いてきた。
「まあまあだと思うよ。・・・ダメだよ」
周哉は春の言いたい事が解ったので、先にダメ出ししておく。
「え〜何で?良いじゃん別に〜。周哉君に迷惑かける訳じゃないし〜」
途端に周哉に文句を言いだす春。
実は春、レズなのである。
中学の頃は、部活の後輩達を相手に遊びまくっていたのでだ。
「ダメったらダメだって」
「む〜、まぁ妹ちゃんにその気があるかもしれないからね〜」
「みんな席着けー、ホームルーム始めるぞ」
4人で話してると、担任の落合が入ってきた。
もうすぐ秋穂が来る。

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