《MUMEI》
 父
授業中に届いた
姉からのメール
「大翔、学校終わったら連絡ちょうだいね」

夕方姉に電話して、待ち合わせする事になった

父も一緒らしい
珍しい取り合わせだ

父「大翔、大事な話があるんだ」

焼肉屋の個室で
父は話し始めた

父「結菜(姉)と大翔は、俺の子供だ…」

「けど、母親は違うんだ…」
「再婚して、生まれたのが大翔なんだ…」

俺「…なんとなく…気付いてたよ…」

父「…」

俺「ねーちゃんの、幼い頃の写真ないしね」

父「…そうか…」

父の、何ともいえない、淋しそうな顔…

姉「家を出る事にしたの」「戻る事は、ないと思う…」

俺「…!」

父の話しでは、
母と姉の関係修復は無理だと…
全て自分の責任だと、頭を下げた

姉「よして、おとうさん」
俺「誰かのせいとか、止めようよ、これからどうするか、でしょ」
「俺は何もかわらないよ」「親父も、お袋も、ねーさんも、俺の家族だから」

父「…大翔…変わったな…大人になった…」
「なんだか別人のようだ…」
親父の戸惑う顔…

 
肉を食いながら
話を聞いた

姉の住んでたマンションを売却して、新たに中古マンションを購入した

生前贈与って形で、姉名義で

すでに、引っ越しも済ませたって

俺、姉をにらんだ…
何で、黙ってた…

目を反らす姉…

 
姉「おとうさん、ごちそうさま」

父「困った事があったら、何でも言いなさい」
「結菜、私は、お前の父なんだからな」

姉「大丈夫」

姉は笑顔で俺と父を見送った

父の車の中で

俺「ねーちゃん、仕事もないのに、ほっぽりだしてどーすんの?」

父「…大丈夫だ、なんとかする…」

俺「…」

敵は、母か…
そう思った…

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