《MUMEI》
 衝突
案の定、父と母が口論になってた

俺は、黙って、階段で、盗み聞きしてた

母「あんな、はしたない女が、娘だなんて!」
「もう、立派な大人なのに、まだお金の面倒をみるつもりなんですか?」

父「言葉が過ぎるぞ、私の娘なんだ、当然だろ!」

母「いい加減にしてください!大翔だって、まだまだお金がかかるんですよ!」 
はしたない…か…
根本的に、嫌いなんだな… 
階段を、わざと、音発てて降りた

父と母が俺を見る

俺は、黙って通り過ぎて
冷蔵庫へ

親父の缶ビールを持ってきて座った

俺「二十歳まで、まだ何日かあるけど、いいかな、飲んで」

あっけに、とられる母

戸惑う、父

俺は、ビールをグイッ と飲んでから

俺「俺、大学辞めなくないんだ…、苦労して、一浪してまで入った、国立だよ」「…わがまま言わせてもらうよ」
「ねーちゃん、とこから、通うよ」
「仕送り、5万、今まで通り欲しいんだ、…」

父「…それは、かまわないが…」

俺「その金、全部、ねーちゃんに、家賃として払うから」

母「な、なにを言ってるの…」

母の言葉を制した

俺「小遣いはバイト、すれば十分だよ」

父「…」

俺「かあさん…俺の姉なんだよ…いいね、それで」

父にも母にも、何も言わさなかった

階段を上がるとき、聞こえた母の言葉

母「大翔じゃないみたい…」

違うよ、今の俺が本当の俺だよ…

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