《MUMEI》
 再会
荷物は先に行ってる
後は俺が行くだけだった
 
姉の住むマンションに着いた…

何日ぶりかなぁ…
ねーちゃんの顔見るの
 
いつもと変わらない姉の態度だったけど、
 
距離を感じた…

俺「スゲー…」

姉「リフォーム済みなんだよ、凄いでしょ」
笑顔の姉

俺「ドラマのセットみたいな部屋だね」

姉「うん、おとうさんが見つけてくれたの、」
「オートロックだし、エントランスに防犯カメラもあるしね」
「中古でも、これならアリだよね」

俺「…正直、すごすぎ…」
姉「こっちの部屋使って」笑顔で言う姉に

俺「寝室、一緒じゃないの?」

姉「……」

俺「…ずうーと、変だなぁーって…思ってたんだ…」「ねーちゃん、の、態度」
姉「…やっぱり…よくないよ…」

俺「半分血が繋がってるから?」

姉「…」

俺「そっか…」

姉「…」

俺は、親父から預かってきた物を姉に渡した

姉「なに、これ?」

俺「親父から…少ないけど生活の足しにしてくれって」

姉「…こんなに?」

俺「じゃあ、確かに渡したからね」

俺は玄関に向かった

姉「どこ行くの?!」

俺「おじゃましました」
作り笑顔で、姉に言った

 
やっぱりな…
 
そんな気がしたんだ…
 
夕暮れの街、寒さが身にしみた

あれ…、あは…、涙出てきた…
 
くそ!…   
 
 
街は人波にあふれてた

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