《MUMEI》

子供はじーっとペットボトルを見ていた。


「水は嫌いっすか?」


子供は首をゆっくり横に振った。


「じゃあなんで、受け取らないんですか?」


「その水を飲んだら、琉遠が怒られてしまうから。」


こんな限界に
追い込まれながらも
俺のことを
思ってくれるなんて


なんて
優しい子なんだろう…


琉遠は涙を流しながら、子供に抱きついた。

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