《MUMEI》

「どこに行ったかと思ったら……ここにいたの、レオン。」

小さな集落が眼下に広がる緑の草原。新しい草の匂いをやわらかな風が運んでくる。その心地よさにまどろんでいたレオンの頭上から、突然声が降ってきた。

「なんだ、シオンか……どうかした?」

眠そうに目を開けると、青い空に映える鮮やかな赤い髪、そして同じように燃えるような赤をした瞳が目に映る。

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