《MUMEI》
余命1ヶ月
あたしは今、優太と手を繋いで歩いてる。
とても暖かい大きな手。それが逆に苦しかった。
他から見れば、ただのカップルだけど、いまあたしは深刻な悩みを抱えていた。
それは、中学3年、秋
。昼休み、優太に呼び出されて校庭の端の赤ポストの前で待っていた。
優太の気持ちにはうすうすきずいていたけど、やっぱりドキドキする。
足音が聞こえる…。
耳に鼓動が響く。
顔をぱちっと叩き、気合を入れて振返ると、いつもとは違う優太がいた。
「よぉ。」
何を言えばいいのか分からなくなってうつむいた。
「おい なんか言えよ。」そう笑いながら優太が言った。
校庭に、秋のにおいを含んだ風が吹いた。
「何?話って。」
優太が、口を開いて、何かを言おうとするが、口をパクパクさせて何を言っているか分からない。
ようやく聞こえるようになった時、聞こえたのは、「俺、お前のお仝§∴が、……なんだ。」って言った、優太の声だった。
「え?なに?あたしのオカンが好きって言った?」
あたしがふざけてそう言うと、優太は、怒って、「だから、お前が好きだって言ってんの」って大声でいった。
「何言ってんの?頭大丈夫?」
あたしが、笑いながら言うと、「本気だよ。」
そう言って、黙り込んだ。気まずい…。
「じゃあ…、帰りまでに返事考えておくから」そう言って、あたしは、教室までの階段まで全速力で走って逃げた。
五時間目のチャイムで、みんなが席に座り始めた。
優太は授業が始まってから遅刻して教室に入ってきた。
校庭の外を見ながら、さっきの事を考えていた。
その時、いきなり激しい頭痛に襲われ、あたしは倒れた。
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