《MUMEI》

「当たり前だ。契約書に書いてあったのを忘れたか」

「分かってるけど──(苦笑)」

「ちょ‥、何の話?」

「契約の中に──幾つか規定があるんですが──‥禁忌になっている事がありまして(苦笑)」

「もし仮に禁忌を破り契りを交わした場合‥契約を破棄せざるを得なくなるからな──」

「契り‥て──‥何やの?」

「つまり‥‥」

「婚約、という事ですね(微笑)」

「へ‥///!?」

こ‥‥

婚約‥!?

婚約て‥‥

まさか2人して‥///?

≪ドクン‥≫

「ぁ‥えと‥、で‥、ソレとさっき黒兎が言うてた禁忌と‥どーゆー関係があるん‥?」

「それはですね──」

「好意を寄せるのはいいが、あくまでも主と執事という間柄を保たねばならんという事だ」

「───────」

「アリス?」

「ええやん、その方が(微笑)」

「「?」」

「だって──‥ウチ、今でも十分幸せやねんから(微笑)」

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