《MUMEI》 ―――…ジョロジョロジョロ〜! 半ズボンの裾から、生温かいオシッコが地面に伝い落ちる…。 「あわわわわ……!」 僕は恐怖に身動きできず、その場に立ちすくんでいた…。 すると、その時――… 「ん?なにか下から声が聞こえたよ。誰だろう?」 しずか君の部屋から、のび太の声が聞こえた…。 奴が、僕の悲鳴を聞き付けて窓から顔を出していたんだ。 まずい――…! 僕はいま失禁している。 こんな姿を、しずか君に見せる訳にはいかない! 僕はとっさに、悲鳴をあげる口を両手で塞ぎ、しずか君の家の塀の影に隠れたんだ。 僕は、目の前にいる怪物の恐怖よりも、自分のイメージを壊さないことを優先したんだ…。 それは二枚目としてこの世に生を受けた者の悲しい性だった…。 前へ |次へ |
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