《MUMEI》
最終話
その頃―大悟は

「…良かった…無事で」
「れな!」
友達のれなと一緒に帰っていたらしい。

「なぁ、れな…俺は紀和に役に立てたと思う?」
大悟はれなに悩みを打ち明けていた。
俺の親友で本当にいいか…別にそんな事考えなくたって…
と言いたいところだが…「…!大悟?どうしたの?私にそんな事言うなんて」
「馬鹿みたいだろ?」

自分で馬鹿って言うダチなんてはじめて見たよ…

「いいえ、私はそうは思わないわ。親友を大事に思って、紀和も嬉しいと思う。役に立ってるはずよ!」

大悟はれなの事が好きなのか…?
「なぁ、れな…俺…こういっちゃあなんだけど、俺…男だぜ?」

まさか!れなに告白するってか?

「…私、こう見えても、ナンパする男嫌いなの!」

ナンパ…今この場に俺がいたら、腹抱えて笑っていたな!

「ナンパじゃねぇよ!」

「え!?…まさか…本気?」
「本気だ」

大悟はれなを抱きしめた。まだ人がいなかったからまだしも…

「れな!」
れなは大悟の顔を見ると赤面になってしまった。

(意外と可愛い一面もあるんだなぁ…)
「好きなの?…」
「あ、あぁ…好きだ」

「れな…」

一方、俺は―

「翔…親に会いに行こうか」
「え?アタシらはまだ学校あるんだぜ?」
寝て起きた頃、もう夕方になっていた。熱はすっかり引いていた。

「もう自由登校に入るから関係ないよ」

ベッドから起き上がると、白濁液が漏れていた…

「げ!やばい!」
翔が引いたかな?と思ったが、意外とそうでもなかった。流石長年付き合っているだけはある…

「ハハハ!おっかし!素っ裸で…ってアタシもそうだった…」

俺らはこのまま卒業して、結婚して…

旅立って行くんだろうなぁ…

「翔…」
「なに?」

「お前の母さんに会って、俺たちの結婚、認めてもらおうぜ!」

翔は笑って答えた…
「うん!」


―永遠に愛しい君…
これからもずっと…―


終わり

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