《MUMEI》
客・・・・・?
(あら!超美形じゃない!
でも誰かしら?)
「あの・・・・・
どちらさまでしょう?」
「俺は明国の皇太子だ。
お前の名は?」
(へ〜。明国の皇太子。
頑張って好印象を与えなくてわ。)
「申し送れました。
私この国の姫の、雪藍(せつらん)と申します。」
「雪藍か。いい名じゃないか。」
「ありがとうございます。」
(父様と母様が付けてくれた名前なんだからいい名前に決まっているじゃない!)
「あの・・・・。
到着は明日ではなかったでしょうか?」
「あぁ。そうだ。
だが意外に早くついてしまってな。
まだ部屋は用意されていなかったか?」
「いいえ。ちゃんと用意してありますわ。
ですがまだ明国料理の準備が出来ていませんのでこの国独特の物になってしまうのですが・・・・・・・よろしいでしょうか?」
「あぁ。この国の料理は絶品だと聞くからな。ぜひそうして欲しい。」
「かしこまりました。」
「ではお部屋にご案内いたします。」
「お前が案内するのか?」
「ええ。おかしいですか?」
「いや。他の国ではそれぞれの姫の一番綺麗な侍女を俺の世話係にしていたからな。」
「まぁ!そうなんですか?
ではそうした方がよろしいでしょうか?」
(ふん!そんな綺麗な侍女目当てに求婚されようとするなんて!
よほど自分に自信がないのね!バカな人たち!)
「いやそのままでいい」
(あら?綺麗な人にはあまり興味がないのね?
それとも美人にあきただけかしら?)
「そうですか?
ではどうぞお部屋へ。」
「あぁ。」
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