《MUMEI》 「痛っ……」 繩が躱に沈む不自由さはアルコールが廻ったような熱に似ている。 「痛い、じゃないだろう?」 床に転がされ肘と手首を強打した。 千石様に更に強く床に擦り付けられた。 「…………イッ…… ……いい……っ です」 痛みと涙が滲む。 下唇を噛み締めて呻きを堪えた。 「……褒美だ。」 千石様が噛んだ下唇から出血した傷を嘗めて下さった。 「ふぅ…………」 ひくひく、 傷口から痙攣する。 背中は湾曲し、 足首は首に繋がり浮いて、浮く腿の下から恥ずかしい姿を晒される。 縛られた腕が、より腰を浮かべさせる。 渇いた躱に彼の膚が当たると期待をしてしまう。 痛いという信号は同時に彼を恋しくさせる。 指とは別の硬いものが押し入ってくるのを覚えた。 痛い のと、 気持ち良い の…… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |