《MUMEI》

俺は女子高生の言葉に不審に思いながらも、その席に座った。


途端に隣りにいた女子高生が、キャーっとはしゃぎ出す。


何事だ…?


チラッと横目で見やると、皆俺をまじまじと見ている。


俺は気味が悪くなって、思いっきり明後日の方向を向いた。


すると…


「ねぇ、あの人カッコ良くない?」


「あ、私もそれ思ったー」


「私も私もっ!!
ルックスもいい感じだし!!!」


「えーでも服のセンス悪くない?」


「あーそういやジャージ出しねー」


これにはカチンと来た。

「おい、お前ら、勝手に人の評価してんじゃねーよ」


俺がそう言ってギロッと睨み付けると、女子高生はビクッと震え上がった。


そして、俺に聞こえないようにヒソヒソ話をしだした。


どうせ俺の悪口何だろう。


俺は軽くため息をつくと、ついさっき思い出したことを実行へ移すことにした。

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