《MUMEI》
ある日の俺達
「…なぁ、なんで俺はお前を好きになってしまったんだろうな」
「知るか…俺はこのままでいいと思うけど」

「だけど、俺は本来なら女を好きになるはずだったんだよ―!!!」


はっきり言います。俺、黒崎龍也は男を愛してしまいました―…

本当は好きな人がいたのに、俺はとんでもない掟を破った。自分にとっても思いがけない自体だった。

「なぁ…秋谷…俺たち場違いじゃないか?」
「んなわけないだろう」

振り向くと、俺の部屋にもう一人、“立村 宮”の顔が冷めていた…

「馬鹿ね…あんた達」
大学生なのに!まだ自由に暮らしたい年頃なのに!


「秋谷…てめぇ…」
「な、なんだよ!」
「俺の人生を返せ」
俺は親友の優等生、秋谷の胸ぐらを掴んだ。

「な、ちょっと待て!それは俺のせいじゃないぞ!」
「うるさい!こうなったら押し倒してやる!」

その会話を聞いた宮は、自然と帰っていた。

ちなみに俺はアパート暮らしである。
大学から近い位置にあるので、自転車で行けるぐらいだ。

「それにしてもなぁ…」
「なんだよ?」

秋谷はテーブルの上に灰皿を置いた。

「いい加減、デートしようぜ?」
「これがデートじゃないの?」

俺はお茶をくみにいく。

「いやいや、家の中のデートと外のデートは違うさ…」

秋谷は残念そうな顔をして話す。
仕草がいちいち気を遣っているように見える。

「ん…」
俺の唇を秋谷の唇に触れさせた。
「キスは慣れたな?」
「うるさい…コレぐらい俺でも出来るさ…!」

男同士のキスは何故か少し暖かいように思う。

「あ…いけね、レポート残ってたんだ…」
「レポート?」
「うん。パソコンで書いたほうが楽なんだけどなぁ…」
バイトで買ったノートパソコン。レポートには向いているのに…

「ハハハ!それは仕方ないさ」
「秋谷、お前も残ってるんじゃないの?」

講習行ったはいいがなかなか自由になれない…

「あ…いけね!」

次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫