《MUMEI》

紅茶の後──

俺は指貫を捜し始めた。

だが‥‥‥

この広い邸の中に転がっている小さな指貫を捜し出すのは‥‥

かなりの時間がかかりそうだな‥。

「ごめんな、ウチがなくしもんばっかするせいで‥‥」

「!?」

アリス‥。

「黒兎‥色々忙しいのに‥‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

俺は固まったように動けなくなった。

「黒兎?」

「‥‥‥‥‥‥ぃゃ‥」

こんな時──‥

何も気の利く言葉をかけてやれない自分が‥‥

もどかしくて仕方無い‥。

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