《MUMEI》 103号室「……ん……?」 起きたら朝で、見覚えの無い部屋に敷布団の上だった。 どこだここ…… 目の前の襖が開いた。 「……あ、おはようございます。」 見知らぬ中学生くらいの少年が挨拶してきた。 「…………おはようございます。」 つられて挨拶してみたものの、まだよく理解していない。 開いたのと反対の襖には着ていたスーツ一式がハンガーに掛かっていた。 そして、 足先が涼しい。 ……サイズが合わないTシャツを着ていたが下は下着のみだった。 香ばしいパンの焼ける匂いがした。 お腹が鳴るので襖から顔を覗かせる。 賑やかな円卓を囲んだ光景だった。 「あ、おはようございます」 バタバタと忙しく安西が動いていた。 先程挨拶してくれたのは弟さんらしい。 前へ |次へ |
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