《MUMEI》 大失敗俺は、間違えていた。 チ●ルチョコのお返しが、●ュッパチャップスであるように 高級チョコのお返しは、高級クッキーが一番ふさわしいのだと そして、手作りには手作りで返す物だと しかし 少なくとも、志貴と果穂さんの場合は違ったのだ。 「ずるいずるいずるいずるい…ずる〜い!」 登校した俺を、下駄箱で捕まえた志貴は、ずっと『ずるい』しか言わなかった。 柊はよほど嬉しかったらしく、身内に俺から手作りクッキーをもらった事を一斉送信したらしい。 「でもさ、素人の俺よりこっちのクッキーの方が」 「祐也のが良かった!」 それでも、志貴は一応俺のお返しを受け取ってくれた。 祐の話によると、志貴と果穂さんは、お菓子作り… というより、調理そのものの才能が全く無いらしい。 『特に志貴は、本当は、できるなら手作りにしたかったはずだ』と祐が言っていた。 「ちゃんと食べられるものが作れるんなら、手作りが一番いいに決まってるでしょ! 来年は手作り!絶対手作り!」 志貴はずっと不機嫌なまま午前中の授業を受けていた。 (しまった…) 俺は、果穂さんと会うのが怖くなった。 前へ |次へ |
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