《MUMEI》
お菓子教室再び
昼休み。


俺は、祐からメールをもらい、安藤先輩にクッキーを渡す為に


何故か、調理室に向かっていた。


「失礼します」

「遅い! 早く支度して」

「は…い?」

「早く早く!」


条件反射は恐ろしい。


俺はわけがわからないまま、エプロンを身につけた。

「あの〜、クッキー…」

「…ありがと」


(あ、受け取ってくれるんだ)


俺が差し出したクッキーを、安藤先輩は受け取り


すぐに、お弁当箱の隣に置いた。


「ほら、時間が無いから、急いで!」

「え?」

「はい、かきまぜて!」

「え??」

「早く!」


条件反射は恐ろしい。


「はい、ここに入れる!」
「は、はい!」


条件反射は…


「あの〜」

「はい、こっち向いてちゃんと笑う!」


条件反射…


ニコッ


パシャッ!


「じゃあラッピングと後片付けよろしく!」

「は…」


そうして、いつの間にか


蒸しパンが出来上がっていた。


しかも…三人分。


後片付けを終えると、昼休み終了五分前でだった。


祐からメールが来た。


『それ、志貴とお祖母ちゃんと、昼飯食べれなかった祐也の分』

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