《MUMEI》

今──‥

何かが靴の先に当たったようだが‥

≪ハッ≫

「‥‥こんな所に‥」

≪ス‥≫

アリスの指貫だ。

「───────」

安堵して──‥

思わず溜め息が洩れた。

良かった。

そう思って指貫を見つめている内──

ふとある事を思い付いた。

「ぁっ、黒兎ココに来てたんやな」

「なっ、アリス‥(驚)」

「どないしたん? そないにビックリして──」

「ぃ‥、ぃゃ、いきなり現れたから少し不意を突かれただけだ」

「そか──」

アリスはまだ不思議そうな表情をしたまま俺を見つめた。

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