《MUMEI》

「よく‥俺の居場所が分かったな」

「ぁ‥、たぶんココらへんにおるんやないかな〜て、そない思たから──」

アリスはそう言ってから‥

不安げな眼差しを向けてきた。

「無理せんといてな? ウチ‥」

「アリス」

「へ‥?」

「左手を出せ」

「ぇ‥」

アリスは困惑したようだった。

「何で?」

「いいから出せ」

「ゎ‥分かった(汗)」

アリスは答えて──‥

左手を差し出した。

俺はその手をとり‥

指貫を薬指に嵌めてやる。

「ぇ‥、黒兎///?」

「本物なら禁忌を破る事になるが──これならば安全だからな」

「へ‥///!?」

アリスは案の定──

頬を真っ赤に染めて俺を見た。

そして自分の薬指に嵌められた指貫を見つめ──‥

笑顔を見せた。

「おーきにな、見つけてくれて(微笑)」

「‥ぁぁ」

俺はわざと目を合わせないようにしながら答えた。

するとアリスはキョトンとしたが──

すぐにまた笑顔になると再び俺に礼を言った。

「ホンマに助かったわ(微笑)」

「アリス」

「ん?」

「ハクには言うなよ」

「ぇ?」

「分かったな」

「ぅ、うん‥///」

アリスは頷いた。

俺はアリスの頭を軽く撫でてやると──

そっとその場を後にした。

「───────」

さっきの事は──

アリスと俺──

2人だけの秘め事。

ハクには──

いずればれてしまうだろうがな(苦笑)

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