《MUMEI》

僕もゆっくりと、その視線の先を追い、同じ窓を見上げる。



「アハハ!」


「やだぁ(笑)…のび太さんたら。」


其所から漏れ出す笑い声が、僕の理性を突き崩し、今にも“のび太”の名をこのノートに記すよう誘いかけてくる…。



――…これがあれば、しずか君に近づく男を消せる――…



――…そして、いずれ彼女を我がものにすることが出来る――…!



僕の口元が仄かに弛んだ。



「そのノートの使い道は決まってるんだろ…?」


リュークは、そんな僕の樮笑みを目ざとく読みとると、低い声で問いかけてきた…。

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