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ケータイ専用オークション《MUMEI》激動のエチュード
「ならハニー、とらやのようかんをもう一つ買ってくるよ」
「そんな事では私の心の傷は癒えないわ」
「じゃあ一体、どうしたら許してもらえるんだい」
男が疲れ果てた口調で言った。
「悪いけどダーリン、どうあっても許すのは無理よ。私たちの選択肢は一つしかないわ」
男は頭を抱えた。女の意志は固く、もはや運命は決定されたように見えた。
長い沈黙が続いた。女がとうとう最後の別れを告げて立ち去ろうとしたそのとき、男がふと顔を上げた。
「『板橋最中』はどうだ?」
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