《MUMEI》
秘密の頼み事
「だって、祐也はゲイだし」

「確かに俺は女の子は興味無いですよ」


(そもそも無理だし)


しかし、それだけでは俺が果穂さんにこんな頼み事をされるのはおかしかった。

「大体、何で高校生の俺がそんな事見極めなきゃいけないんですか!?」


そういう事は、熟年夫婦か

「志穂さんに頼めばいいじゃないですか!?」


こういう時こそ、志穂さんの力が必要だと思う。


「う〜ん。志穂は、今回、微妙だから」

「あ〜、意外と苦手だもんな。こういうの。
普通に、向いてる仕事とかなら言い当てるけど」

「じゃあ何で俺なんですか!?」


(わけがわからない)


「同年代だから」

「へ?」

「候補と、本人と同年代だから」

「だって…年上でしょ?」

俺は、本人とは一度しか会っていなかったが、あれはどう見ても年上だった。


(それとも、あいつ、ロリコンか?)


俺を『可愛い』と言っていたし。


希先輩に迫ってたし。


「まぁ、四月になったらわかるから。資料も送るし」

「ちょっ、俺、やるなんて一言も…」

「多分、受けなくても巻き込まれるから、やる事になるよ」

「そうそう」


二人の笑顔がものすごくこわかった。

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