《MUMEI》
小旅行
相田先生に相談した俺は、春休みに入り、電車である場所に向かっていた。


春日さん達には、『できたら送る』と伝えた。


(大事になったなぁー…
しかし…)


「祐也、みかんいる?」

「それよりお菓子でも食うか?」

「あ、俺、飴持ってるよ」

「ちょっと皆、少し静かにしないと…」

「子供じゃないんだぞ」


(何でこんな事に…)


俺は


志貴からみかんを


祐からお菓子を


柊から飴を、一応受け取った。


ちなみに、はしゃぐ三人にお母さんのように注意したのは、希先輩で


お父さんのように注意したのは、葛西先輩だった。


メンバーの中に守達がいないのは、サッカー部の練習があるからだった。


希先輩は、マネージャーの仕事を一年生に任せてきたと言っていた。


希先輩は来月から三年生になり、進路の関係で部活に顔を出せない日が増えるらしい。


昔から進路がはっきりしている祐と違い、希先輩は未だに進路について迷っているようだった。


(多分、夏休みのアレが原因だろうなぁ)


希先輩は、屋代さんのように介護の仕事に就きたいと思っていたが、ボランティア先で、入居者にセクハラされそうになったのだ。

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