《MUMEI》 お約束な誤解「何…してる、の?」 「「え…」」 気付くと、俺達の周りに人だかりが出来ていた。 「うわ、違うから! 志貴!」 「そう、違うんです!希さ…」 (えぇ!?) 志貴はすぐに笑顔になったが、隣の希先輩が泣き出したので、俺は慌てた。 「知らなかった。柊君も、…男の人が好きだったなんて」 「え…?」 (まずい) 希先輩が言っているのは、屋代さんの事だ。 「何で、皆、そうなの? 私の初恋も、次の恋までこんなの… ヒドイ!」 「え、…希さん!」 「追いかけろ!柊!」 「あ、でもさっきの、何?」 (あぁ、もう!) 俺はギャラリーを気にせず叫んだ。 「希先輩の初恋は屋代さんなんだよ! 屋代さんゲイだろ? だから、お前も俺に告白したからゲイだと思われたんだよ!」 「えぇ? 俺違うよ!」 「そんなの知ってるからとっとと追いかけて告白してこい、このヘタレ! 告白しなかったら友達やめるからな!」 「えぇ!? そんな」 「わかったらさっさと行け!!」 「は、はい〜!」 (全く) ようやく走り出した柊に、俺はホッとした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |