《MUMEI》

そうか、
あの後、泣きじゃくって疲れて寝てしまったんだ……どうやって運ばれたんだろうか。




「すいません、シワになっちゃいけないと思って勝手に脱がせました。」


「有志のエロー!」

一番小さな弟さんが茶化した。


「うっさい、早く食べな」

安西、なんか“お母ちゃん”ぽい。


「……ふわっ?!」

腿を撫でられた。


「あー、すいません。
あんまり綺麗だったんで陶器みたいな触り心地なのかと。人間の体温ですね。」

触ったのは多分、襖を開けた人だ。


「お客様に粗相しない!」

安西、やっぱりお母ちゃんだよ……

そして俺は下を与えられないままで軽く拷問されているよ……なんだこの晒しものは。

下着だけだと足がすーすーする。
シャツを引っ張って弟が呼び付ける。
俺は話を聞く為に体ごと引っ張られた向きに直る。


「にーちゃんの女ですか?」


「……?!」

ん?女…………


「早く食べなさい!」

安西、笑ってるけど目が怖い。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫