《MUMEI》
出会い再び
「危ない!」
不意に後ろから声がした。


咄嗟に抱き締められて、横に跳んだ。


俺をスッポリ包み込んだ身体に、何故か懐かしさを感じた。


俺の横をギリギリに車が通り過ぎて行った。


「怪我ないか?」
その人は聞いた。


「あ…はい、大丈夫です。」
そう言って、顔を上げた俺の目は、その人に釘付けになった。


漆黒の髪、長身でスリム〜吸い込まれるような黒い瞳を持つ、綺麗顔の青年…。


「……」


彼は、俺を見て笑った。


何故か、胸の奥が騒いだ。


彼は、俺の顔を眺めて
「分かんないよな?オレの事…」
と呟いた。


「??」


何故か、手を引かれ彼の後を歩いた。

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