《MUMEI》 栄実への想い〜麗羅視点〜 私の質問に海は、視線を下に落とし答える。 「・・・今週は、多分来ないと思う」 ガタッ――― 「えっ?栄実どこか悪いの?」 海の言葉に驚き、立ち上がりながらまた質問をする。 「あっ違うよ!ごめん言葉足りなかったよね。 ・・・栄実は、栄実なりに過去と向き合って、前に進もうと頑張ってるんだ。 ってこれじゃ意味分かんないか」 海は、ハハッと苦笑いを浮かべる。 「でも栄実が栄実なりの答えを見つけるまで、待ってあげて欲しい」 海は真剣な眼差しで付け加えた。 私には栄実が今、何で苦しんでいるかも分からないし、どれだけ辛いのかも分からない。 側に居ても何もしてあげられない・・・。 でもね、たとえ何も出来なくても自己満足でも、栄実のために何かしたいって思うの。 だって栄実は、初めて心から大切だと思えた存在だから。 今の私が居るのは、栄実や歩や海のおかげだから・・・・・。 栄実が悲しい時、辛い時、力になれない自分の無力さが悔しい。 でも栄実が、頑張って進もうとしているなら、側に居れなくても私に出来ることはあるよ。 栄実が、1秒でも早く心から笑えるように 答えを見つけて進むことが出来るように、精一杯の応援を・・・栄実に。 後、私に出来ることは―― 「待つよ!栄実の納得いく答えが出るまで」 栄実のことを待つこと。 私の言葉を聞くと海は、安心したように笑った。 「海、お願いが「麗羅おはよ―!!」 私の声を遮り、真星が元気よく教室のドアを開け入って来た。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |